総合病院で
発達障害の療育から広がっている国内でのチェーンブランケットの活用。今回は総合病院に勤務されている理学療法士さんにお話を伺いました。
もう15年くらいになるんですが、
今の病院では大人の方でICUとか人口呼吸器を付けたりとか
重症の患者さんを主にみる特に呼吸器とか心臓疾患の方を
みる事が多いです。というのがひとつと。
もうひとつは、外来で通ってこられてる子どもさんで
発達障害であったり、脳性麻痺であったり、
そういうリハビリが必要な子どもさんを主にみています。
なので、専門はその2つの分野。
私がお借りしたのは子どもさん用と大人用と
大人の方で言えば、睡眠って安心があるのが
一番なんだなと思うんです。
それで安心を得るのに何が必要かって言うと
やっぱり子どもさんみててもそうですけど
ぎゅっとして欲しい抱っこしたい
自分も力を入れてそれを表現するんですけど
それを与えられるものが多分チェーンブランケット。
代わりになるんじゃないかなと思います。
それは決して子どもだけではなくて、
大人もそうかなと僕思うんです。
自分がそういう傾向があるのもありますけど。
それがないとやっぱり自分を安定させるための行動をとったり、
姿勢をとったりするんですけど
それを続けていると変な話、関節が固まっていったりとか、
変な姿勢で、変形が起きたりとかっていう事が
起きるなと思っているんです。
特に脳梗塞とか麻痺がある患者さんとかでは、
よくみられる事ですし、早産の子どもさんとかでも、
そういう行動をとるっていう事が出ています。
なので、早産のお子さんは重さには耐えられないのですが、
そういう傾向があって、落ち着けない子どもさんに対しては
すごくいいんじゃないかなって僕は思います。
たとえ睡眠障害ってはっきり(診断が)ついていなくても、
夜ちょっと寝にくいなとか、寝るまで少し時間がかかるなとか、
という方に対しても、あるだけで落ち着きとか、安心感があったりは
すると思うので、そういうのにも使えるんじゃないかなと
普通の方であっても効果は十分あるんじゃないかなと僕は思います。
集中治療室に入っている方の場合は家族の人に話が聞けなかったんですけど
子どもさんには、自閉症スペクトラムの子どもさんに一人、
落ち着きがない方がいたので、リハビリの途中で休憩中に
1回使ってもらった事があったんです。
そしたら結構、気に入ってくれて、
「これなんですか?」ってお母さんに聞かれたので
チェーンブランケットの趣旨、こういうものなんですって話をしたら、
「これちょっと持って帰りたい」って言われたので
持って帰ってもらって、1週間ぐらい使ってもらったんです。
1週間後、使って来てもらったときに、
「どうでした?」ってお話を聞いたら、
その子どもさん、寝るまでにすごく時間がかかる
2時間ぐらいかかるそうなんです。
すごく落ち着かなくてゴソゴソするって話だったんですけど
お布団に入るにも時間がかかってた子どもさんなんですが、
チェーンブランケットがあると、お布団にすっと入ってくれる
ようにはなったそうなんです。
使ってもらって、返しに来てくれたときも、
他にも2人くらい使っている子どもさんがいたので
1週間経ったら返してねって言って(返してもらった)
でもやっぱり、休憩の時には(チェーンブランケットを)
取りに行って、休憩の間、もぐってという事をするので、
やっぱり寝るというよりは、どちらかと言うと
その子どもさんの場合は、自分が落ち着く場所としての
使い方をしてるのかなとは思いました。
もう1人、別のADHDの子どもさんなんですけど
その子も休憩の時間、持って行って寝る時間もありますし、
トランポリンに持って行って、多分チェーンの感触を遊ぶんでしょうね。
あれを持ちながら飛ぶっていう、着ながらとか
音も多分そうだと思います。
そういう使い方をする子どもさんもいます。
自分の刺激を入れるためにあれを利用する。
もう1人は、脳性麻痺のお子さんで少し知的があるので
落ち着かないんですけど
関節可動域の訓練をしたいのですが
なかなか落ち着かなかったので
ちょっと使ってみたら比較的落ち着いて
今までであれば、すぐに立ち上がって
よそに行ってしまっていたのが
起きるぐらいで済むようになって。
起きてまた被って寝てしばらくそのまま居て
というようにその場から動かなくなるぐらいの効果がありました。
なので睡眠だけではなくて落ち着かせる
気持ちをトーンダウンさせる効果としても
いいなと今のところ感じています。
これはいいなと思って、普通に平日使ったら、まあ仕事、ちょっと遅刻しまして!
僕自身が、羽毛布団とか軽い布団がダメ
あまり好きではないので、自分で夜本当に寝たら
どうなるのかというのを試したくて
お願いして借りて使いました。
使って寝たら、すごく寝やすい。
使ったのは8キロだったんですけど。
使ったら寝やすくて。
朝までぐっすり寝まして
1週間ぐらい使いましたけど
休みの日はいつも目覚ましがあって
5時とかに起きるんですけど
目覚ましも気づかず、7時8時とかまで寝れて
これはいいなと思って普通に平日に使ったら
まぁ仕事に遅刻しまして(笑)
でも朝まで起きなかったですし、
すごい朝も目覚めが良かったので
使わせて頂いて、実感する事ができました。
すごいいいんだなって。
ICUの患者さんって色んな機械が付いていて
他の一般病棟と比べて明るい状態をずっと
保たれているんですね。音は鳴るし。
やっぱり寝れない人であったり、
いろんな強いお薬を使うので
睡眠が安定しないので昼夜逆転であったり
ずっと眠らされてるっていう状況から
パッと起きる切り替えが難しかったりするなと
思うんです。
実際、起きるのに時間がかかる、俗に言う
「せん妄」って言う状態ですけど
そういうのがよくあったんですね。
なので、それもある意味、一緒なのかなと
思いまして、せん妄状態で落ち着かない状態、
自分が置かれている状況がよくわからない
という事と近いのではないかなと思いまして、
使ったのは3名ぐらい僕がみてる患者さんですけど
良かったのは2人くらいかな。
その方も夜起きてゴソゴソしてわーって喋るような
もともと認知症もありながらの人なんですけど
それがICUでの集中治療をしてる間、
少しひどくなったりする傾向があったので
それが少し落ち着く感じはやはりありました。